学習することの意義が変わりつつある中、教育の場として塾では一体何ができるか?
ということをわれわれは考えてきました。
「学ぶことの楽しさ」をわかってもらう。これがひとつの答えです。
たかが塾ではありますが、目先の受験や試験対策だけではなく、
この「学ぶことの楽しさ」をどうにかして知ってほしいと心の底から願っています。
もちろん、その道のりは決して平坦なものではありません。
山あり谷ありの険しい道です。
人によっては、谷底しか見えないような途方もない道のりに見えるかもしれません。
加えて言うなら、何かを学ぶということは、時として目まいや吐き気をもたらすような、
ひどく辛くて、そして孤独な経験でもあります。
(私もよく胃が痛くなりますから分かります)
そしてわれわれ教師は、生徒がこのような道のりを進んでいく手助けしかできません。
本当は険しい道のりなど飛ばして、一気に頂上まで連れて行ってあげたいのですが、
それは不可能ですし、意味もありません。
どんな名教師でも無理です。
われわれにできるのは、あくまで「手助け」だけなのです。
ですがこの「手助け」は、単に知識やノウハウを教えることだけではなく、
かつて同じ経験をした「仲間」としての助言でもあります。
仲間として、1人でも多くの生徒がこの険しい道のりを乗り越え、
その奥底にひそむ「学ぶ」ということの極上の楽しさを理解し、
笑顔を見せてくれることを心待ちにしています。
このようなことを謳う学習塾はたくさんあるでしょう。
われわれは、「自分たちこそが真の教育をしている塾である!」と言うつもりは全くありません。
学ぶ楽しさを知ったら、人間として成長できたり、確実に幸せになれるというわけではありません。
逆に、勉強嫌いは落ちこぼれて不幸になると決まっているわけでもありません。
確実なのは、
われわれは学ぶことを楽しいと思っているし、それを生徒にも伝えたいと思っている。
それだけです。