中学数学 教科書に書いてないこと

教科書にあまりハッキリとは書いていないが、知っていると便利なことを備忘録がてらにまとめました。

ただし教科書に載せていないのにも理由があり、以下のようなことを理解せずに丸暗記しても思考力はあまり身につきません。理想をいえば、暗記よりも理解を重視したいところです。

定期試験や受験で時間に追われていて、どうしてもすぐに点を上げたい!というときには役立つ公式もあります。
とくに強力なのは二次関数の変化の割合、円錐の側面積でしょうかね。

中学では説明されずに、高校でようやく説明されることも挙げました。

見つけ次第、随時追加していきたいです。

中1

あまり付きの割り算と、あまりを考えない割り算は区別する。
あまり付きの割り算: a÷bで商がq, あまりがrとは、等式で a = qb + r と表せる。
あまり無しの割り算: a÷b = a× 1/b = a/b

点 (s,t) を通る比例の式の比例定数は t/s。

比例 y=ax で、x が s から t まで変化したときの変化の割合は、a。

点 (s,t) を通る反比例の式の比例定数はst。

反比例 y=a/x で、x が s から t まで変化したときの変化の割合は、-a/st。

反比例 y=a/x が分かりづらかったら、両辺に x をかけて xy=a とするとしっくり来る場合もある。

円錐の側面を開いた扇形の中心角は、360×(底面の円の半径)÷母線の長さ。
円錐の側面積は、円周率×底面の円の半径×母線の長さ。

円錐、角錐などの体積で1/3が出てくる理由は高校数学で習う積分で明らかになる。
もう少し具体的には、x^2 に不定積分という操作をすると 1/3 x^3 + 定数 となり、1/3 が出てくる。これに似たものの名残である。

球の体積、表面積も高校数学で公式の意味がわかる。表面積を半径について積分すると体積。逆に、体積を微分すると表面積。
円の場合も円周を半径について積分すると面積。

中2

一次関数 y=ax+b で、x が s から t まで変化したときの変化の割合は、比例と同じで a。

二直線の交点は連立方程式で求められるが、これは直線でなくても同じ。曲線と直線でも連立方程式が使える。とにかくグラフの交点は連立方程式!

三角形の合同条件は、言い換えると、条件を満たす三角形は1つに確定しますよ、ということ。
例えば三つの辺の長さを決めたら、それらで作れる三角形は1つしかない。
じゃあそのとき内角はどう計算できるのか、というと、それは高1で三角比をやると分かる。

中3

素因数分解すると、どんな自然数も素数の積に順序を除いて一通りに分解できる。
ところが 1 を素数ということにすると、一通りには分解できない。
例えば 6= 2×3 = 1×2×3 =1 ×1 ×2×3
これが1を素数としない理由。

x^2+x-2に -2 を代入すると0になり、また(x+2)(x-1)と因数分解できる。
一般に、代入して0になる数 a を見つけられれば、(x-a)が因子になる。
高校で因数定理として習う。

二次関数(の一部)である y=ax^2 において、
x が s から t まで変化したときの変化の割合は、a(t+s)。

二次関数や反比例の変化の割合で、x の増加量を0に近づけていくと接線の傾きになっていく。これが高校数学で習う微分。
接線や変化の割合の発想の根底にあるのは、二次関数のグラフのような曲線を直線で似せようということである。ふつうは曲線や曲面よりも、直線や平面の方が易しい。この発想は都立入試の大問 2 でも頻出している。

円に内接する四角形の向かい合う角の和は180度。

余談

ところで、この記事をつくるためにやや古い問題集をみていたら、2次正方行列の行列式が書いてありました。とくに行列式とは呼ばれてはいませんでしたが、驚きです。確かに計算なら中学生でも問題なくできますもんね。