都立入試 数学 関数の問題について

概要

都立高校入試問題での、数学の大問3は関数についての問題が毎年出題されています。
関数といっても、主に図形との融合問題が出題されます。
近年は3問から構成されていて、中堅以上の都立を目指すなら、はじめの2問は是非正答したいです。
配点は各5点で合計15点です。
最後の問題も、計算の量は多いが、大問4や大問5の難しい図形の問題と比べればまだ解きやすいので対策して挑みたいところです。

問題文の読み方

全般的な傾向として、年々問題文が長くなってきているので、何を問うているのかを冷静に考える必要があります。

問題文を読みながら整理すべきなのは、定まった情報と不定の情報の区別、それから各点や各関数などの定義です。

点についていえば、点A, 点Bなどは確定している点、点Pや点Qは動ける点(不定の点)として登場する傾向があります。
(ちなみに、例えば点Aが確定していても、x座標しか指定されておらず、y座標は自分で計算する必要があることが多い)
点Pが動ける点の場合、たとえそのPが図に載っていても、位置については信頼できないので注意が要ります。
あくまで図は参考です。
また、点Qは点Pと連動して決まったり、直線と放物線の交点などとして登場したりで、点Pよりも他のものに依存している傾向があります。

問題を解く上で知っておくこと

実際に問題を解く上での必要事項を重要度順に挙げると、次のようになります。

・二点を通る直線の式の出し方
・二次関数と変域
・グラフの交点
・中点や内分点
・面積比と底辺の比の関係
・座標平面上での三角形の面積の導出

二点を通る直線の式は大問3の関数の問題を解くあたって、ほぼ必須。
習うのは中2だが、3年になると忘れている人もいます。
なお、二点を通る直線の式には二つ解法があります。
傾きを先に各座標の差(の比)から求める解法と、連立方程式を使う解法です。
自分の経験では、連立方程式による解法はあまり人気はないようですね。
連立方程式だと、図形的なイメージもわきづらいし仕方ない。
なお、傾きを先に求める解法においては、座標平面を眺めて暗算出来るくらいになってほしいところです。

次に頻出なのは二次関数における変域です。
二次関数は頂点で増減が切り替わるのでその辺りの処理が焦点。
また、少しひねって出題されることもあります。

グラフの交点は連立方程式を用いて求められます。
どんなグラフでも共通しているし、高校でも使える考え方なので是非押さえておきたいですね。

中点については各座標を足して2で割ればよいからイメージしやすいでしょう。
内分点は、そこまで複雑なものは出ない(2:1や3:1程度)ので、
落ち着いて考えれば解けるはず(改めて公式として暗記しておく必要性は低い)。
三角形の面積でも同様だが、辺の比を考えるときには、座標と線分の長さ(二点間の距離)を混同しないように。
座標は原点に対する相対的なものだが、線分の長さや比は座標のとり方に依存しない絶対的なものです。

高さが同じ三角形同士ならば、面積比と底辺の長さの比が等しいという性質もそこそこ使います。
平行線を補助線として引くと、状況がつかみやすい。

最後に必要なのは三角形の面積の求め方である。主に大問3の最終問題に使います。
座標平面は、x軸とy軸が直交しているので、それを利用して、うまく底辺と高さを見つけることがポイント。
よい等積変形ができれば計算が楽です。

あまり出題されないこと

逆に、関数分野であまり出題されないものを挙げてみると次のようになります。
・反比例
・変化の割合
・文章題
・階段関数などの特殊な関数

反比例はグラフが双曲線で、放物線よりも難しいと思うので、出題が少ないのもなんとなくわかります。
さらに、二次関数は高1でも扱うし、その接続を考慮すれば反比例よりは二次関数のほうが大事ですかね。

変化の割合は、二次関数(や反比例)についていえば、曲線を直線で近似しているわけで、後々微分を学ぶときに重要だと思うんですけどね。
平均速度という物理的な意味も教科書では扱っていますし。
変域の方ばかり出題される理由がいまいち分からない。単純に変域の方が難しいからですかね。

文章題は四角形や三角形の中に動点Pなどが出てくるものがあります。皆キライな問題です。都立でも出題されたことは一応あります。