音声学との出会い

今でも覚えています。数年前のことです。
神奈川のやや古くて薄暗い、とある図書館の一室で、カバーの無い英語学の入門書を借り、自宅のソファーで読んでいました。
私はとくに英語学の専門というわけでもないので、自ら英語学の入門書を読むのは気晴らしのためだったように思います。その中のある章が英語音声学を扱っていました。

その章では喉頭蓋だの硬口蓋だの舌端だのでとにかく解剖学的な専門用語が多くて面食らいました。医学かよ!と思いましたね。ただそれ以上に、今まで意識していなかった日本語や英語の発音が、それらの用語を用いて見事に整理されていくのに驚き、そして感動しました。

この感動があったから、その後に英語音声学を一通り学んで、今もそれを活かした発音指導に比較的力を入れられているんですよね。もちろん専門の音声学者ではありませんので、まだまだ学ぶことは多いですが。

 

最初に読んだのがどれかは定かでは無いのですが、おそらく以下の本のどれかだったように思います。
初めに挙げてある「英語総合研究」は認知言語学を活かした英語教育で今をときめく大西泰斗先生も一章執筆されていますね。

長谷川瑞穂、脇山 怜(編著), 英語総合研究―英語学への招待, 研究社, 1998
西光 義弘 (編著), 
日英語対照による英語学概論, くろしお出版, 1999
安藤貞雄, 澤田治美 (編著), 英語学入門, 開拓社, 2001