日本語の母音を反省する

英語の発音を習う前に、日本語の発音を改めて反省してみるのは結構いいんですよね。

中高の英語のカリキュラムには全然無いような気がします。
国語でももちろんやりません。

ということで作った資料です。

 

実験

日本語の「あ」「い」「う」「え」「お」をどうやって発音しているか調べてみましょう。

口の開き方

口の開き方と舌の位置に注意して「あ」「い」「う」「え」「お」を整理してみましょう。
まずは口の開き方です。

「あ」「い」「え」

まず「あ」「い」「え」の3つを口の開き方が小さい順に並べてみましょう。
実際に発音してみるのが一番いいです。
アナウンサーになったつもりではっきりと発音しましょう!
「あいえ」「あえい」「いあえ」「いえあ」「えあい」「えいあ」のどれかが正解です。

「い」が一番口の開き方が小さいことはすぐわかると思います。
難しいのは「あ」と「え」でしょうか。
口をめいっぱい開けて「あ」を言うことは簡単ですが「え」はすこし難しいです。
「え」の場合はどうしても口の端が上にあがり、その分口の開き方は小さくなります。

よって正解は「いえあ」です。

「あ」「う」「お」

次は「あ」「う」「お」です。
さきほどより簡単かもしれません。
「あうお」「あおう」「うあお」「うおあ」「おあう」「おうあ」のどれかが正解です。

「あ」は口を大きく開けるということがさきほどわかりました。
「う」と「お」については「うお」「おう」を比べてみるとわかります。

正解は「うおあ」です。

まとめ: 「いえあ」、「うおあ」はともに口の開き方が小さい順に並んでいます。

舌の場所

次は舌の場所の前か後ろかに注目してみましょう。
口の開き方よりすこし難しいかもしれません。

「い」「う」

まずは「い」と「う」です。舌の位置が前なのはどちらでしょうか?
「う」は口をすぼめて発音している人もいるかもしれませんが、今回はそれはおいておきます。

コツは「い」の口のまま「う」と言ってみることです。
「い」の口のまま「いういういういういう……」と言ってみましょう。

「い」の口で「いう」と言ってみると「う」のときに舌が奥に引っ込んでいることが、かすかに感じ取れます。

よって舌の場所については「い」の方が前、「う」の方が後ろです。

「え」「お」

次は「え」と「お」です。今回も口の形は無視して舌の場所を調べてみましょう。
舌の位置が前なのはどちらでしょうか?

「え」の口のまま「えおえおえお……」と言ってみましょう。

今度は「お」のときに舌が後ろに引っ込みます。

よって舌の場所については「え」の方が前、「お」の方が後ろです。

まとめ: 「い」「え」は舌の場所が前、「う」「お」は後ろ

結論

「いえあ」「うおあ」は口の開き方が小さい順
「いう」「えお」は舌の場所の前後

参考文献

斎藤純男, 日本語音声学入門, 三省堂, 2006
猪塚元(著), 猪塚恵美子(著), 町田 健(編), 日本語音声学のしくみ, 研究社出版, 2003